『定款の変更』|社会福祉法人の事業譲渡のための手続きその⑧

本記事では、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」(166〜168ページ)をもとに、

この記事の内容社会福祉法人の事業譲渡に伴う定款変更

について、スムーズな手続きを行うためのポイントを分かりやすく説明していきます。

▼前回までの記事はこちらをご覧ください。

 事業譲渡に伴う定款変更とは?

POINT事業譲渡を行う場合、法人の運営内容が大きく変わるため、定款を変更する必要があります

具体的には、以下のような変更が求められます。

対象法人 変更内容 手続き
譲渡法人 事業の廃止 / 基本財産の処分 評議員会での議決、
所轄庁への申請
譲受法人 事業の追加 / 基本財産の追加 評議員会での議決、
所轄庁への申請

定款変更の手続きの流れ

社福経営者Aさん

質問です!定款って簡単に変えられるんでしょうか?



むらき

いい質問ですね!定款変更には評議員会での議決が必要で、さらに所轄庁の承認も必要なんです。だから、しっかり準備しておくことが大事ですよ!

POINT定款変更の手続きは、大きく分けて
①「評議員会(法人内部)の承認」
②「所轄庁への申請」
の2つのステップがあります。

1. 評議員会での議決を得る

POINTまず、譲渡法人・譲受法人ともに評議員会で定款変更の議決を得る必要があります。
Tips
  • 譲渡法人: 「事業の廃止」「基本財産の処分」を定款変更の内容として決議
  • 譲受法人: 「事業の追加」「基本財産の追加」を定款変更の内容として決議

2. 所轄庁へ定款変更の申請を行う

POINT評議員会での議決を経たら、次は所轄庁に定款変更の申請を行います

申請の際には、以下のような書類を準備する必要があります。

必要書類・社会福祉法人定款変更認可申請書
・理事会議事録
・評議員会議事録
・現行の定款
・変更後の定款
・事業計画書
・収支予算書(2か年)
・事業譲渡契約書
・施設長就任書・履歴書

※譲渡事業や定款変更の内容によって必要な書類が異なるため、事前に所轄庁へ相談し、確認しておきましょう。

所轄庁の審査を経て、問題がなければ定款変更が承認されます。

余裕を持ったスケジュールで進めることが重要!

社福経営者Aさん

所轄庁に申請すればすぐに承認されますか?



むらき

いえ、承認には一定の時間がかかるので、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です!

POINT定款変更の承認には、所轄庁の審査に時間がかかるため、早めの対応が必要です。
特に、事業譲渡のスケジュールに影響を与えないよう、計画的に進めましょう。

まとめ

今回は、事業譲渡に伴う定款変更のポイントと進め方について解説しました。ポイントをおさらいすると…

まとめ
  • 譲渡法人では「事業の廃止・基本財産の処分」、
    譲受法人では「事業の追加・基本財産の追加」の定款変更が必要

  • 定款変更には評議員会の議決と、所轄庁の承認が必要

  • 所轄庁の審査には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要

今回の記事を参考に、事前にしっかり準備を整えていきましょう!

当サイトでは、社会福祉法人の合併や事業譲渡についてのアドバイスをしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

村木 宏成

福祉の世界にたずさわり、さまざまな種別の福祉事業に取り組んできました。 生産年齢人口の急減に伴う「供給制約」、出生数減少に伴う保育需要の減少、後期高齢者数のピークアウトに伴う「需要消失」、そうした課題が、それぞれの地域ごとに並列していく時代がきています。これからの社会福祉法人は、それぞれの地域での福祉サービスを継続していくためにも、法人の合併・事業譲渡・社会福祉事業の再編統合なども視野に入れていかなければなりません。 社会福祉事業を経営するあなたの事業の悩み、問題、課題の最適解を一緒に考えていきましょう。 趣味は神社仏閣巡り 大宮の氷川神社、成田山新勝寺には長年通い続けています。

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