『事後開示』~社会福祉法人の新設合併のための手続き その5〜

本記事では、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」に基づき、

この記事の内容社会福祉法人の新設合併における「事後開示」の流れとポイント

を詳しく解説します。

▼事後開示の前段階である「合併の登記手続き」については以下の記事をご覧ください。

新設合併における事後開示事項

POINT新設合併では、合併手続きが完了した後に事後開示を行います。

基本的な開示事項は吸収合併の場合と同様です。

事後開示事項登記日
 設立した法人の登記日を記載したものを開示します。

債権者保護手続き
 債権者保護手続きの経過を記載したものを開示します。

承継した重要な権利義務
 新設合併により新設合併設立社会福祉法人が新設合併消滅社会福祉法人から承継した重要な権利義務に関する事項を開示します。

その他
 上記のほか、新設合併に関する重要な事項を開示します。

引用:厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」より

▼吸収合併の事後開示については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

事後開示の実施事項

POINT事後開示では、主たる事務所に必要な情報を備え置き、関係者からの閲覧請求に対応できる状態を整えます。

・事後開示の期間(登記完了後6ヶ月間)
・備置き場所
・閲覧方法
については、吸収合併の場合と同じです。

▶︎吸収合併の事後開示については、こちらの記事をご覧ください。

新設合併の「事後開示」のポイント

新設合併の場合は、(吸収合併の場合と比べ)開示内容に関して以下のような違いがあります。

1. 新設合併消滅法人(なくなる法人)の開示内容

POINT新設合併により消滅する法人は、債権者保護手続きの経過を記載した資料を開示する必要があります。

具体的には以下が含まれます。

・公告や個別催告の実施状況
・債権者からの異議申し立てへの対応結果
・その後の債権者との合意内容 など

2. 新設合併設立法人(新しく設立される法人)の開示内容

POINT新しく設立される法人は、消滅法人から承継した重要な権利義務に関する事項を開示します。

まとめ

今回は、新設合併における事後開示について解説しました。

新設合併では、吸収合併と同様に情報を備え置く必要がありますが、

・新設合併消滅法人では債権者保護手続きの経過を、
・新設法人では
重要な権利義務に関する事項を開示する

という点が特徴です。

手続きの透明性を保ち、円滑な運営を進めるためにも、余裕をもって適切な準備を行いましょう。

▼吸収合併の事後開示の詳細は、以下の記事で確認できます。

この記事が参考になれば幸いです。

村木 宏成

福祉の世界にたずさわり、さまざまな種別の福祉事業に取り組んできました。 生産年齢人口の急減に伴う「供給制約」、出生数減少に伴う保育需要の減少、後期高齢者数のピークアウトに伴う「需要消失」、そうした課題が、それぞれの地域ごとに並列していく時代がきています。これからの社会福祉法人は、それぞれの地域での福祉サービスを継続していくためにも、法人の合併・事業譲渡・社会福祉事業の再編統合なども視野に入れていかなければなりません。 社会福祉事業を経営するあなたの事業の悩み、問題、課題の最適解を一緒に考えていきましょう。 趣味は神社仏閣巡り 大宮の氷川神社、成田山新勝寺には長年通い続けています。

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