【質問回答4】職員の定着・育成・採用の工夫とは?社会福祉法人の人材確保に関するお悩み解決Q&A

少子高齢化や労働人口の減少のなか、
「職員の定着・育成」や「サービスの質の維持・向上」に課題を抱える法人も少なくありません。

今回は、普段のセミナー等でみなさまから実際に寄せられたお悩み、ご質問を、私からの回答とともにご紹介します!

 

もくじ
  1. 職員の確保・定着・育成について
  2. 利用者の確保について
  3. 就労支援関係について

職員の確保・定着・育成について

Q1.事業継続のためには、経営の知識と技術を持った職員の育成が必要だと考えています。研修体系や組織づくりのポイントを教えてください。

おっしゃるとおりだと思います。私どもの法人では、

POINT・業務評価シートを上司と本人それぞれが記入し、
・そのシートを元にキャリアアップ面談を実施しています。

ただし、そうした仕組みがあっても、最終的には職員に“実際に任せてみる”ことが何より重要だと感じています。

ある組織や部署を任せて、困難にぶつかりながらも試行錯誤を重ねて乗り越えていく――そのプロセスこそが職員の大きな成長につながると考えています。

もちろん、その職員が孤立しないように、まわりのバックアップ体制を整えることも大切です。

このご質問に対する私の答えとしては、「ちゃんと任せる」ことに尽きると思います。

Q2.事業を継承する後継者の育成は、どのタイミングで行うべきでしょうか?

私は、「どこかのタイミングで誰か一人を後継者に決める」という形では考えていません。

なぜなら、

  • 将来の事業環境がどう変化するかわからない(継続できる保証もない)
  • 後継者に決めた本人の環境や気持ちも変化する可能性があるためです。

例えば、私自身もかつては保育事業の継続を想定していましたが、予想以上の少子化進行やコロナ禍の影響により、事業撤退を決断しました。

このように、事業の前提条件は常に変化していくものです。

POINT

そのため、「特定の後継者を決める」のではなく、複数の候補者を育成し、組織全体で対応できる体制を整えておくことが重要ではないでしょうか。

柔軟に対応できる経営体制を作ることが、長期的な事業継続につながると思っています。

Q3.今後の介護従事者不足の見通しと、人員補充の対策について教えてください。また、特定技能の採用についての知見があれば併せて知りたいです。

私どもの事業実施地域においても、人口推計的に、従事者の不足というものが回復することはないと考えています。

POINTそのなかで、人員確保については、自分たちのことや職場の雰囲気をショート動画にして発信し、少しでも知っていただくことが重要だと考えています。
・SNSの活用
・既存職員の口コミや紹介を活用し、リファラル採用に繋げる
・柔軟な働き方を導入し、多様な人材を受け入れる

など、できることはたくさんあります。

特定技能については、具体的な国名は避けますが、やはり送り出し国のトレンドがあると思っています。

その送り出し国の経済成長によって、日本へくることにメリットがなくなれば、なかなか集まりにくくなるため、送り出しすることが他の国へうつっていく傾向があるように思います。

人材不足の問題は今後も続くため、「国内の採用対策」と「外国人材の活用」をバランスよく進めることが求められると感じています。

Q4. 供給制約の状況下で有効な人材確保策にはどのような取り組みがありますか?成功事例やアイデアがあれば教えてください。

POINTYouTube、Instagram、TikTokなどSNSの活用はほぼほぼmustかと思います。

とはいえ、私はフォロワー数や再生回数を追う必要はないと思っています。

とりあえずなにかしらの発信をしていないと、その法人のことを認識する術をもたない(=その法人は存在しない)ということになってしまうように思います。

「採用のための広報」として、積極的に情報発信を行い、まずは自法人の認知度を高めることが人材確保の第一歩となります。

利用者の確保について

Q1.園児集客のためのブランディング事例を教えていただきたいです。

POINT園児を集客するためには、「自園の特徴や理念を明確にし、それを発信すること」が重要だと思います。

自分たちの保育への思い、どんなことを大切に考えて保育しているのか、どんな理念や考えのもとで保育をしているのか、他のこども園と違うところはどんなところなのかを、しっかり発信していくことかと思います。

就労支援関係について

Q1.就労継続支援事業に関して、運営面は問題ないのですが、利用者工賃向上のために、施設外就労と施設内作業を効率よく進めていく必要があると感じています。
個人収入を増やすには施設外就労が一番大きな収入なのですが、その分施設内で従事できる利用者が減ることと外に出られない利用者の為にも施設内で現在行っている製品作りを減らし、外注作業を増やすか新事業に取り組むかを悩んでいます。

(B型事業所を前提にお話しします。)

運営面は問題ないものの、利用者工賃の向上を目指すには、施設外就労と施設内作業の最適なバランスが必要というお悩みですね。

施設外就労は、経費がかかりにくいため工賃を高く設定できるメリットがありますが、
現在、国の方針として「外で働ける=一般就労が可能ではないか」という見解が強まりつつある点には注意が必要です。

また、施設外就労には送迎や支援員の配置が必要となり、これが将来的な運営コストや人員確保の面で課題になる可能性もあります。

POINTこれはそれぞれの考え方によりますが、私のほうでは、同一敷地内にて、能力の高い利用者と少し難しい利用者、両者が働ける環境を整えることが良いのではないかと思っています。

Q2.施設外就労の受け入れ先企業から「最低賃金以上での雇用は難しい」と言われることが多く、利用者の工賃を増やすのが難しいです。良い解決策はありますか?

POINT「利用者の工賃を増やしたい」とのことですが、それであれば、営業をしたり新しい仕事を見つけて、施設内の工賃を増やすことが重要と思います。

また、施設外就労で最低賃金しか払うことができないということであれば、もっといい条件で工賃を払ってくれる就労先を探してみてはいかがでしょうか。

今はどこも人がいない状況です。

「障害者でも出来る仕事をご自身で探していく」、または「障害者でも高い工賃を払って雇いたいと思う企業を探していく」ことで、より良い環境(利用者さんの収入増ができる)を整えていくことができるのではないでしょうか。

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村木 宏成

福祉の世界にたずさわり、さまざまな種別の福祉事業に取り組んできました。 生産年齢人口の急減に伴う「供給制約」、出生数減少に伴う保育需要の減少、後期高齢者数のピークアウトに伴う「需要消失」、そうした課題が、それぞれの地域ごとに並列していく時代がきています。これからの社会福祉法人は、それぞれの地域での福祉サービスを継続していくためにも、法人の合併・事業譲渡・社会福祉事業の再編統合なども視野に入れていかなければなりません。 社会福祉事業を経営するあなたの事業の悩み、問題、課題の最適解を一緒に考えていきましょう。 趣味は神社仏閣巡り 大宮の氷川神社、成田山新勝寺には長年通い続けています。

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