『評議員会の承認』~社会福祉法人の新設合併のための手続き その2〜

本記事では、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」に基づき、

この記事の内容新設合併における「評議員会の承認」で実施すること

を詳しく解説します。

POINT新設合併の場合においても、合併契約の承認を評議員会で行うことが求められます。

基本的な手続きや流れは、吸収合併の場合とほぼ同じです。

▼以下の記事をご参考にしてください。

用語解説

厚労省の「合併・事業譲渡等マニュアル」の該当部分(P94、95)には

・「他の新設合併消滅社会福祉法人」
・「当該新設合併消滅社会福祉法人」

という言葉がでてきます。

詳しい解説にうつる前に、まずはこれらの意味を確認しておきましょう。

他の新設合併消滅社会福祉法人」とは

POINT「他の新設合併消滅社会福祉法人」は、新設合併に参加する消滅法人のうち、自分の法人以外を指します。

たとえば、法人A・法人B・法人Cが新設合併に参加する場合、法人Aにとって法人Bと法人Cが「他の新設合併消滅社会福祉法人」となります。

当該新設合併消滅社会福祉法人」とは

POINT「当該新設合併消滅社会福祉法人」は、新設合併に参加する消滅法人のうち、自分の法人自身を指します。

「評議員会の承認」の実施内容

POINT「他の新設合併消滅社会福祉法人(自分の法人以外)」と「当該新設合併消滅社会福祉法人(自分の法人)」が、それぞれで新設合併契約の内容確認と承認を行います。

承認の手順

評議員会の承認の具体的な流れは、以下のとおりです。

POINT①評議員会の開催
合併契約に関する議題を設定し、評議員会を開きます。

②決議内容の議事録作成
合併契約に対して承認を得た場合、その内容を議事録として記録します。

議事録は保管しておきましょう

POINT社会福祉法人が新設合併する際には、評議員会で合併契約を承認する決議を行う必要があります。

そのため議事録は、法令上必要な書類となります。これがないと、後の手続きが進められません。
承認された内容を正確に記録し、保管することが求められます。

具体的な例

例えば、A法人、B法人、C法人が新設合併を行う場合は、以下のような流れになります。

①A法人、B法人、C法人それぞれで評議員会を開き、新設合併契約を承認
各法人が新設法人の設立に合意した上で、契約内容を承認します。

②各法人が議事録を作成
合併契約の承認内容を議事録に記録し、公式な文書として残します。

②次のステップへ進む
「定款の作成」など、新設法人設立の準備に進みます。

▼参考記事「定款の作成」
(記事は後日公開)

むらき

この順番は法人の新設合併をする際にはとても重要です。そのためにも事前の協議・すり合わせがとても重要です。

まとめ

今回は、新設合併における評議員会の承認について解説しました。

新設合併では、すべての消滅法人が評議員会で合併契約を承認する必要があります。

この際、それぞれの法人が契約内容を慎重に確認し、議事録として記録を残しましょう。

評議員会での承認を終えた後は、次の「定款の作成」のステップに進みます。

今回の記事がご参考になれば幸いです。

村木 宏成

福祉の世界にたずさわり、さまざまな種別の福祉事業に取り組んできました。 生産年齢人口の急減に伴う「供給制約」、出生数減少に伴う保育需要の減少、後期高齢者数のピークアウトに伴う「需要消失」、そうした課題が、それぞれの地域ごとに並列していく時代がきています。これからの社会福祉法人は、それぞれの地域での福祉サービスを継続していくためにも、法人の合併・事業譲渡・社会福祉事業の再編統合なども視野に入れていかなければなりません。 社会福祉事業を経営するあなたの事業の悩み、問題、課題の最適解を一緒に考えていきましょう。 趣味は神社仏閣巡り 大宮の氷川神社、成田山新勝寺には長年通い続けています。

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