
「社会福祉連携推進法人って、そもそも何?」という方向けに、前回の記事では制度の概要や背景、できることについて詳しくご紹介しました。
▼前回の記事:「社会福祉連携推進法人とは?」
今回はその続編として、「この制度で何が変わるの?」「どんな効果があるの?」という点にフォーカスします!
国が期待している役割や、現場レベルで見えてくる可能性をわかりやすく解説していきます。
期待される効果と役割

まず結論から申し上げますと、社会福祉連携推進法人に期待される効果は以下の通りです。
2.人口減少に対応できる“持続可能な経営基盤”が整う
3.法人ごとの強みを活かした柔軟な協働がスタートできる

以下でひとつずつ解説します。
1.施設の枠を超えた「地域共生社会」へ
まずひとつ目の視点は「地域共生社会」への貢献です。
これまでのように「うちは保育園だから、地域の高齢者支援には関われない」ではなく、
「地域の課題に対して、それぞれができることを持ち寄る」——そんな柔軟なつながりができるのがこの制度の特徴です。

うちの法人は、施設種別が違う他法人さんと連携できるのでしょうか…?

できますよ!連携推進法人は“種別の壁”を取り払い、地域全体を見据えた連携を可能にする制度となっています。
たとえば…
⚫︎保育施設が高齢者施設と連携し、多世代交流の場を作る
⚫︎地域住民への災害時支援体制を複数法人で整備する
⚫︎福祉施設の空きスペースを地域の活動拠点として提供する
など、「地域共生社会」を実現するための土台づくりとして、社会福祉連携推進法人が重要な役割を果たすことが期待されています。
2.経営基盤の強化へ ― 持続可能な福祉のかたちを探る
もうひとつの視点は「経営基盤の強化」です。
人口減少や財政難、共働き世帯の増加など、福祉ニーズは多様化・複雑化しています。
しかし一方で、法人の経営はますます厳しくなっているのが現実です。
そんな中、複数法人が知恵と資源を持ち寄り、共通課題に取り組むことで、次のようなメリットが生まれます。
⚫︎一括仕入れでコスト削減(オムツや消耗品など)
⚫︎会計や人事など事務の共同化による業務効率化
⚫︎職員の合同研修や人材交流によるスキルアップ
⚫︎経営相談や財務支援などの相互サポート
これにより、「単独では難しいけれど、連携すればできる」選択肢が広がっていきます。

うちの法人は人手も資金も足りなくて、今の事業を維持するのがやっとです…

そんなときこそ、“できることから始める”連携が力になります。同じ悩みを持つ法人同士、支え合える仕組みを作っていきましょう!
3.法人ごとの強みを活かした柔軟な協働ができる

連携推進法人は、設立すればすぐに効果が出る“魔法の道具”ではありません。
たとえば…
⚫︎まずは月1回の情報交換会からスタート
⚫︎小さな共同調達から試してみる
⚫︎行事や研修を合同で行ってみる
など、小さな一歩が、将来の大きな仕組みに育っていきます。
上図の最後にもあるように、
これが社会福祉連携推進法人の目指す姿であり、期待される効果です。
まとめ
社会福祉連携推進法人は、「現在の悩み」にも、「これから先の不安」にも、前向きに向き合える選択肢のひとつです。
⚫︎単独法人では難しい課題に取り組める
⚫︎法人の壁を越えた連携ができる
⚫︎持続可能な福祉のしくみを育てられる
未来の地域福祉を支える土台として、これからますますの活用が期待されますね。
「どこから始めていいかわからない…」という方は、ぜひ一度、身近な法人同士で話し合ってみてはいかがでしょうか。
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