
事業譲渡後は、スムーズな運営のために規程・マニュアル類、委員会の運営、各種システムの統一、名義変更などを適切に整備することが重要です。
特に、譲受法人は、従来の事業所のルールやシステムと自法人の運営方針をすり合わせ、一貫性を持たせる必要があります。
本記事では、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」(186〜187ページ)をもとに、
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実施要項
事業譲渡後、譲受法人が対応すべき事項は以下の4つです。
- 各種規程・マニュアル類の整合性の確保(譲受側)
- 委員会などの運営検討(譲受側)
- 各種システムの整合性の確保(譲受側)
- 名義変更(譲受側)
1.各種規程・マニュアル類の整合性の確保(譲受側)

規程やマニュアルは、そのまま使えないんですか?

基本的には統一するのが望ましいですね!法人ごとにルールが違うと混乱の原因になります。
そのため、運営の一貫性を保つために、既存の規程・マニュアル類を見直し、必要に応じて統一することが求められます。
規程・マニュアルの整備におけるポイント
・ 業務マニュアルの整合性をとり、運用ルールを一本化する
・ 利用者に関わるルール(契約書・運用規程など)も確認する
職員の働き方や業務手順に関わる規程が大きく異なる場合は、スムーズな移行のために職員向けの研修を実施することも有効です!
2.委員会などの運営検討(譲受側)
委員会運営の見直しポイント
・ 譲受法人の既存の委員会と統合・再編の必要があるか検討する
・ 会議体のルールや決定権限の整理を行う
例えば、譲渡法人で「事故防止検討委員会」として運営していたものが、譲受法人では「安全対策委員会」として機能している場合、どのように統合するか事前に話し合いましょう。

委員会の名称が違うだけなら、そのまま使ってもいいのでは?

名称だけでなく、活動内容や目的も統一することで、法人全体のルールに一貫性を持たせることができますよ!
各種システムの整合性の確保(譲受側)
システムが統一されていないと、データのやり取りが非効率になり、職員の負担が増えてしまう可能性があります。
システム統一のポイント

システムが違っていても、それぞれ使い続けることはできますか?

可能ですが、データの整合性を取るのが大変になります。できるだけ統一するのが望ましいですね。
・ 利用者情報・職員情報の管理システムを統一する
・ 職員がスムーズに使えるよう、必要な研修を実施する
例えば、譲渡法人と譲受法人で異なる会計システムを使っていた場合、どちらかに統一するか、データ連携の方法を決める必要があります。
4.名義変更(譲受側)

名義変更って、具体的にどこまでやる必要があるんでしょうか? 登記はもちろん、行政機関への届出、契約書や銀行口座の変更など、法人名が関わるすべての手続きを見直す必要があります。
特に、法人名義で登録されている契約や届出などは、すべて譲受法人の名義に変更する必要があります。
名義変更が必要な項目
・ 契約書・請求書・各種書類の名義変更
・ 銀行口座・金融機関との契約変更

特に、行政機関への届出や銀行との契約変更は、事業の継続性に直結するため、早めに対応することが重要です!
まとめ
今回は、事業譲渡後に必要な規程・マニュアル類、システムなどの整備について解説しました。ポイントを整理すると…
・ 規程・マニュアル類は、譲受法人のルールに統一することで、一貫性を持たせる
・ 委員会の運営は、譲渡法人のものと統合・再編の必要があるか検討する
・ 業務システムの違いによる混乱を防ぐため、システムの統一や研修を実施する
・ 法人名義の変更を早めに進め、事業の継続性を確保する
事業譲渡後の運営をスムーズに進めるためには、ルールやシステムを整え、職員が戸惑わずに業務を続けられる環境を作ることが重要です。
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【社会福祉法人愛生会 理事長】趣味は神社仏閣巡りです。大宮の氷川神社と成田山新勝寺はずっと通い続けています。これからの社会福祉法人経営の悩み、問題、課題を一緒に考えていきましょう。

再び「スラムダンク」にはまっています。「最後まであきらめない」気持ちが仕事に向き合う姿勢と共感するからでしょうか。休日には「乗り鉄」の子供と一緒に関東近郊に「電車の旅」に出ています。車窓を見ながら本を読む時間が楽しみです。

大手会計事務所でM&A、組織再編など幅広い案件に携わってきました。地元秋田に戻ってからは、社会福祉法人監査など社会福祉事業に関する業務も手掛けております。皆様の課題解決の一助となれれば幸いです。週末は、小学生の息子と日帰り温泉巡りをしています。
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