『利用者や利用者家族、地域への説明』|社会福祉法人の事業譲渡のための手続き その⑫

社会福祉法人の事業譲渡では、職員だけでなく、利用者やその家族、地域住民への説明も重要なポイントになります。
特に、事業所が移転する場合や運営法人が変わる場合、利用者との契約を新たに結び直す必要があるため、適切な説明と手続きが求められます。

本記事では、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」(184〜185ページ)をもとに、利用者やその家族、地域への説明のポイントや手続きの流れを詳しく解説します!

▼これまでの記事は以下のリンクからお読みいただけます。

実施要項

事業譲渡に伴い、利用者やその家族、地域住民に対する説明や手続きが必要になります。
このステップにおける実施要項は、以下の3点です。

実施要項

1.利用者や利用者家族への事業譲渡等の説明(主に譲渡側)
2.利用者との再契約の締結(譲受側)
3.地域への事業譲渡等の説明(主に譲渡側)

むらき

以下でひとつずつ解説します!

 1.利用者や利用者家族への事業譲渡等の説明(主に譲渡側)

POINT

事業譲渡が決まったら、まずは利用者やその家族に対して、事業の継続性や運営変更について説明することが重要です。

説明のポイント

・ 事業譲渡の目的や背景をわかりやすく伝える
・ サービス内容や利用条件に変更があるか明確に説明する
・ 費用や手続きに関する疑問にしっかり答える

特に、利用者の安心を第一に考え、十分な時間をかけて説明を行いましょう。

社福経営者Aさん

利用者さんはどんなところが不安になったり、気になるんでしょうか?



むらき

サービスが変わらないか、費用がどうなるか、契約の手続きがどうなるかなどを気にされる方が多いです!


理解をいただくために、以下のアイデアも取り入れてみてくださいね^^

Tips・ 説明会を開催し、利用者・家族の疑問に答える
・パンフレットや資料を準備し、内容を分かりやすく伝える
・今後のスケジュールを明確にし、次の手続きを案内する

 2. 利用者との再契約の締結(譲受側)

POINT事業譲渡が行われると、利用契約は自動的に引き継がれるわけではありません。そのため、利用者ごとに新たな契約を締結する必要があります。

再契約が必要な理由

社福経営者Aさん

どうして再契約が必要なのでしょうか?



Tips・ 運営法人が変わるため、契約主体が変更になる
・ 契約内容や料金体系が変わる場合がある
・ 利用者の権利を守るため、改めて契約を結ぶ必要がある

再契約の流れ

POINT

1.新たな契約書の準備
旧契約を参考にしつつ、新しい法人の条件に合わせて作成。

2.契約内容の説明
利用者や家族に変更点や手続きを説明。

3.利用者の同意を取得し、契約を締結
署名・押印をもって正式に契約を結ぶ。

社福経営者Aさん

契約が自動で引き継がれないのは意外ですね。



むらき

そうなんです。法人が変わると契約も変わるので、新たな契約を結ぶ必要があります。

 3.地域への事業譲渡等の説明(主に譲渡側)

事業譲渡後も円滑に運営を続けるためには、地域住民への説明と協力が不可欠です。特に、地域に根ざした福祉施設の場合、近隣住民の理解を得ることが運営の安定につながります

POINT

事業譲渡などの際、地域への説明は必須ではありません。 しかし、施設の成り立ちや地域の状況を考え、 必要に応じて説明会を開き、不安を解消することが望ましいです。

説明会の対象者は、施設運営関係者や地域の代表者(地区会長など) を想定していますが、両法人で協議し、適切な対象者を決めましょう。

説明会では譲渡の目的・背景・今後の運営方針を説明し、質疑応答を行いながら理解を得るよう努めます。 また、意見や質問は議事録として記録を残すのが望ましいです。

説明のポイント・ 事業譲渡の背景や今後の運営方針を説明
・ 地域への影響があるかを明確に伝える
・ 地域住民との関係を維持するため、意見交換を行う

・ 地域住民向けに説明会を開催し、意見を聞く
・ 地域自治体と連携し、協力体制を整える
・ 事業の継続性を保証し、不安を解消する

むらき

施設の運営方針や地域への影響、協力のお願いなどを分かりやすく伝えることが大切です!

まとめ

今回は、事業譲渡に伴う利用者・家族・地域への説明と手続きについて解説しました。ポイントを整理すると…

POINT
  • 利用者や家族には、サービスの変更点や新しい契約について丁寧に説明する
  • 事業所が移転する場合、利用契約は自動的に継続されないため、新たな契約を締結する必要がある
  • 地域住民には、事業の継続性や運営方針を伝え、信頼関係を維持することが重要

事業譲渡をスムーズに進めるためには、利用者・家族・地域との信頼関係をしっかり築くことが不可欠です。今回の記事を参考に、適切な説明と手続きを進めていきましょう!

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村木 宏成

福祉の世界にたずさわり、さまざまな種別の福祉事業に取り組んできました。 生産年齢人口の急減に伴う「供給制約」、出生数減少に伴う保育需要の減少、後期高齢者数のピークアウトに伴う「需要消失」、そうした課題が、それぞれの地域ごとに並列していく時代がきています。これからの社会福祉法人は、それぞれの地域での福祉サービスを継続していくためにも、法人の合併・事業譲渡・社会福祉事業の再編統合なども視野に入れていかなければなりません。 社会福祉事業を経営するあなたの事業の悩み、問題、課題の最適解を一緒に考えていきましょう。 趣味は神社仏閣巡り 大宮の氷川神社、成田山新勝寺には長年通い続けています。

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