『規程・マニュアル類、システムなどの整備』|社会福祉法人の事業譲渡のための手続き その⑬

事業譲渡後は、スムーズな運営のために規程・マニュアル類、委員会の運営、各種システムの統一、名義変更などを適切に整備することが重要です。

特に、譲受法人は、従来の事業所のルールやシステムと自法人の運営方針をすり合わせ、一貫性を持たせる必要があります

本記事では、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」(186〜187ページ)をもとに、

この記事の内容事業譲渡後に譲受法人が対応すべき規程やシステムの整備について詳しく解説します。



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実施要項

事業譲渡後、譲受法人が対応すべき事項は以下の4つです。

POINT
  1. 各種規程・マニュアル類の整合性の確保(譲受側)
  2. 委員会などの運営検討(譲受側)
  3. 各種システムの整合性の確保(譲受側)
  4. 名義変更(譲受側)

1.各種規程・マニュアル類の整合性の確保(譲受側)

社福経営者Aさん

規程やマニュアルは、そのまま使えないんですか?



むらき

基本的には統一するのが望ましいですね!法人ごとにルールが違うと混乱の原因になります。

POINT事業譲渡が行われると、譲渡法人で使用していた規程やマニュアルが、譲受法人のルールと異なる場合があります。

そのため、運営の一貫性を保つために、既存の規程・マニュアル類を見直し、必要に応じて統一することが求められます

規程・マニュアルの整備におけるポイント

規定・マニュアル整備のポイント・ 職員の就業規則、給与規程、服務規程などを統一する
・ 業務マニュアルの整合性をとり、運用ルールを一本化する
・ 利用者に関わるルール(契約書・運用規程など)も確認する

職員の働き方や業務手順に関わる規程が大きく異なる場合は、スムーズな移行のために職員向けの研修を実施することも有効です!

2.委員会などの運営検討(譲受側)

POINT事業譲渡を受けた法人では、それまでの事業所で運営していた各委員会のテーマや名称を、譲受法人のものと整合性を取る必要があります

委員会運営の見直しポイント

委員会運営のポイント・ 譲渡前の法人で設置されていた委員会の内容を把握する
・ 譲受法人の既存の委員会と統合・再編の必要があるか検討する
・ 会議体のルールや決定権限の整理を行う

例えば、譲渡法人で「事故防止検討委員会」として運営していたものが、譲受法人では「安全対策委員会」として機能している場合、どのように統合するか事前に話し合いましょう。

社福経営者Aさん

委員会の名称が違うだけなら、そのまま使ってもいいのでは?



むらき

名称だけでなく、活動内容や目的も統一することで、法人全体のルールに一貫性を持たせることができますよ!

 各種システムの整合性の確保(譲受側)

POINT事業譲渡を受けた法人では、業務システムや情報管理の方法を統一することが重要です。

システムが統一されていないと、データのやり取りが非効率になり、職員の負担が増えてしまう可能性があります

 システム統一のポイント

社福経営者Aさん

システムが違っていても、それぞれ使い続けることはできますか?



むらき

可能ですが、データの整合性を取るのが大変になります。できるだけ統一するのが望ましいですね。

システム統一のポイント・ 財務・会計システムの移行計画を立てる
・ 利用者情報・職員情報の管理システムを統一する
・ 職員がスムーズに使えるよう、必要な研修を実施する

例えば、譲渡法人と譲受法人で異なる会計システムを使っていた場合、どちらかに統一するか、データ連携の方法を決める必要があります。

4.名義変更(譲受側)

社福経営者Aさん

名義変更って、具体的にどこまでやる必要があるんでしょうか?



むらき

登記はもちろん、行政機関への届出、契約書や銀行口座の変更など、法人名が関わるすべての手続きを見直す必要があります。


POINT事業譲渡後は、法人名が変わるため、各種名義の変更手続きを行う必要があります。
特に、法人名義で登録されている契約や届出などは、すべて譲受法人の名義に変更する必要があります。

名義変更が必要な項目

名義変更・ 事業所名・法人名の変更手続き(登記・行政機関への届出)
・ 契約書・請求書・各種書類の名義変更
・ 銀行口座・金融機関との契約変更
むらき

特に、行政機関への届出や銀行との契約変更は、事業の継続性に直結するため、早めに対応することが重要です!

まとめ

今回は、事業譲渡後に必要な規程・マニュアル類、システムなどの整備について解説しました。ポイントを整理すると…

POINT

・ 規程・マニュアル類は、譲受法人のルールに統一することで、一貫性を持たせる
・ 委員会の運営は、譲渡法人のものと統合・再編の必要があるか検討する
・ 業務システムの違いによる混乱を防ぐため、システムの統一や研修を実施する
・ 法人名義の変更を早めに進め、事業の継続性を確保する

事業譲渡後の運営をスムーズに進めるためには、ルールやシステムを整え、職員が戸惑わずに業務を続けられる環境を作ることが重要です。

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村木 宏成

福祉の世界にたずさわり、さまざまな種別の福祉事業に取り組んできました。 生産年齢人口の急減に伴う「供給制約」、出生数減少に伴う保育需要の減少、後期高齢者数のピークアウトに伴う「需要消失」、そうした課題が、それぞれの地域ごとに並列していく時代がきています。これからの社会福祉法人は、それぞれの地域での福祉サービスを継続していくためにも、法人の合併・事業譲渡・社会福祉事業の再編統合なども視野に入れていかなければなりません。 社会福祉事業を経営するあなたの事業の悩み、問題、課題の最適解を一緒に考えていきましょう。 趣味は神社仏閣巡り 大宮の氷川神社、成田山新勝寺には長年通い続けています。

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