

【社会福祉法人愛生会 理事長】趣味は神社仏閣巡りです。大宮の氷川神社と成田山新勝寺はずっと通い続けています。これからの社会福祉法人経営の悩み、問題、課題を一緒に考えていきましょう。

再び「スラムダンク」にはまっています。「最後まであきらめない」気持ちが仕事に向き合う姿勢と共感するからでしょうか。休日には「乗り鉄」の子供と一緒に関東近郊に「電車の旅」に出ています。車窓を見ながら本を読む時間が楽しみです。

大手会計事務所でM&A、組織再編など幅広い案件に携わってきました。地元秋田に戻ってからは、社会福祉法人監査など社会福祉事業に関する業務も手掛けております。皆様の課題解決の一助となれれば幸いです。週末は、小学生の息子と日帰り温泉巡りをしています。
このカテゴリでは、厚労省「合併・事業譲渡等マニュアル」に基づき、社会福祉法人の吸収合併における「事後開示」について詳しく解説します。
・事後開示の対象となる項目
・事後開示におけるポイントと注意点
▼今回解説する「事後開示」の前段階である「合併の登記手続き」については、以下の記事をごらんください。
事後開示とは
吸収合併を行った存続法人は、合併後に一定の情報を公開する「事後開示」の義務があります。
この事後開示の目的は、
具体的には、承継した重要な権利義務や合併契約書などの書類を主たる事務所に備え置き、閲覧請求に応じられる状態にすることが求められます。
また、紙媒体だけでなく電子データでの保管も認められており、効率的に情報を管理することが可能です。
事後開示の方法

事後開示の方法は、以下の2つです。
備置き
この期間中、関係者から閲覧請求があった場合に対応できるように準備を進めましょう。
また、情報の保管は紙媒体だけでなく、電磁的記録(電子ファイルなど)での保存も認められています。
これらの活用により、効率的な管理が可能です。
閲覧等の請求への準備
そのため、閲覧方法や対応窓口を事前に明確にし、スムーズに対応できる体制を整えておくことが重要です。
事後開示事項
事後開示の対象となる項目は、以下のとおりです。
①登記日
合併が正式に完了した日付。
この日が基準となり、法人が法的に承認された状態で運営を開始します。
②債権者保護手続きの経過
合併前に行った公告や催告の状況、および債権者からの異議があった場合の対応内容。
▼「債権者保護手続き」については以下の記事で詳しく解説しています。
③承継した重要な権利義務
合併によって存続法人が引き継いだ資産や債務の詳細。
不動産や契約、借入金などが含まれます。
④事前開示事項(吸収合併契約の内容を除く)
合併前に公開された情報の中で、合併契約書に記載されていない事項。
▼「事前開示」については以下の記事で詳しく解説しています。
⑤その他、厚生労働省令で定められた情報
上記の他に、吸収合併における重要な事項。
引用:厚生労働省「合併・事業譲渡等マニュアル」より
事後開示におけるポイントと注意点

事後開示の際には、以下の点に注意しましょう。
①備置き期間の遵守
登記日から6ヶ月間、情報を保管し、請求があれば閲覧やコピー提供に対応します。
②電磁的記録の活用
情報は紙媒体だけでなく、電子データとして保存することも可能です。
閲覧請求に対応しやすい形式で整備しましょう。
③閲覧請求への迅速な対応
関係者が請求した場合、スムーズに対応できる体制を整えておく必要があります。
④所轄庁との連携
厚生労働省令や所轄庁が求める書類について、事前に確認して対応します。
▼「所轄庁の認可」については、以下の記事で詳しく解説しています。
⑤信用維持のための適切な管理
情報の不備や対応の遅れは、法人の信用に悪影響を与える可能性があります。
不備を防ぐためのチェック体制を整えましょう。

事後開示の方法においては、書面(紙)と電磁的記録(電子データ)などの備置きなど、法定で定められているやり方の他、法人のホームページなどで開示情報そのものを公開したり、事務所等に備置きしていることを周知することも検討してみてもいいかもしれません。
まとめ
今回は、「吸収合併存続社会福祉法人の事後開示」について解説しました。
事後開示は、合併後の透明性を確保し、関係者に必要な情報を提供するために欠かせない手続きです。
登記日から6ヶ月間、必要な情報を主たる事務所に備え置き、閲覧請求に対応する義務があります。
特に、承継した権利義務や債権者保護手続きの経過など、重要な事項について正確に管理することが求められます。
これらの手続きを適切に進めることで、法人の信頼を維持し、合併後の運営をスムーズに進める基盤が整います。
今回の記事を参考に、事後開示に向けた準備を進めてください。

【社会福祉法人愛生会 理事長】趣味は神社仏閣巡りです。大宮の氷川神社と成田山新勝寺はずっと通い続けています。これからの社会福祉法人経営の悩み、問題、課題を一緒に考えていきましょう。

再び「スラムダンク」にはまっています。「最後まであきらめない」気持ちが仕事に向き合う姿勢と共感するからでしょうか。休日には「乗り鉄」の子供と一緒に関東近郊に「電車の旅」に出ています。車窓を見ながら本を読む時間が楽しみです。

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